【重要ニュースまとめ(1/7~1/13)】暗号資産業界で相次ぐSPACによる株式上場。国内では物流ブロックチェーンの取り組み | 仮想通貨コラム | 仮想通貨の比較・ランキングならHEDGE GUIDE

今回は、1月7日〜1月13日の暗号資産・ブロックチェーン業界の重要ニュースについて、田上 智裕 氏(@tomohiro_tagami)に解説していただきました。

目次

  1. 国内で盛り上がる物流ブロックチェーン
  2. 韓国最大手取引所Bithumb(ビッサム)に買収報道
  3. BakktとSoFiが株式上場を発表
  4. まとめ、著者の考察

今週(1月7日〜1月13日)の暗号資産・ブロックチェーン業界は、SPACを活用した株式上場が相次いだことで業界外からも注目を集めました。国内では物流業界でブロックチェーン活用が進むなど、2021年のトレンドになりそうなコンソーシアムによるエンタープライズブロックチェーンの市場が盛り上がりそうです。本記事では、1週間の重要ニュースを解説と共におさらいしていきます。

国内で盛り上がる物流ブロックチェーン

日立製作所とみずほフィナンシャルが、物流業界におけるブロックチェーン活用およびサプライチェーンファイナンスの高度化に関する取り組みを発表しました。2021年1月中の実証実験開始を予定しています。

これまでにも、日立製作所とみずほはブロックチェーンを活用したサプライチェーンの効率化に取り組んできました。今回の実証実験でも、日立製作所が開発を進めるサプライチェーン決済プラットフォーム上で、みずほの開発するファイナンス決済システムを提供していくとしています。

物流業界におけるブロックチェーン活用に関しては、業界最大手のニトリが一歩リードしています。ニトリは、書類作業をデジタル化した上でブロックチェーンを使って管理し、本部から現場の担当者まで正確な情報を届けることを目指しています。

ブロックチェーンの特徴として、他社を巻き込んだ事業展開を行う際にデータ管理や権限設定が自由に行える点があげられます。ニトリのような物流事業者の場合、他社に委託している輸送作業のプロセスをブロックチェーンで管理することにより、委託先を拡張した際の共同輸送の効率化を実現することができるでしょう。

現状の物流業界では、ドライバー不足による労働環境の悪化や、煩雑な帳票管理の問題が蔓延しており、見積りや受発注管理、配車・運行管理業務、請求管理などの作業もアナログ中心のものになっているといいます。

今回の実証実験では、物流データと連携したファイナンススキームの提供を行うことで、輸送代金の早期資金化を目指すと説明しました。背景には、荷主からの受注後に複数の運送会社へ業務を委託するという多重構造の商流があり、このプロセスをシンプルにするのが狙いです。

なお、今回の取り組みではエンタープライズブロックチェーンの中で高いシェアを誇るHyperledger Fabricを使用する方針だといいます。昨今は、ブロックチェーンで事業を立ち上げる際には、パブリックチェーンをエンタープライズ向けにカスタマイズするのがトレンドになってきています。

Hyperledgerも、Linux Foundationがパブリックチェーンをカスタマイズした上で提供しているものであり、予め定められたプロトコル通りにデータの型を定義し権限を自由に設定することで、他社を巻き込んで事業を展開することができます。

今回の実証実験でも、複数の事業者間における決済取引を統合し、関係者間で共有するデータをブロックチェーン上でトークンとして流通させることを目指すと説明しました。

日立とみずほは物流業界以外でも、過去にグローバルな資材調達のサプライチェーン管理にブロックチェーンを活用するプロトタイプの開発を行なっています。

2021年の展望記事でも触れましたが、今年はコンソーシアムの設立が相次ぐと予想しています。ブロックチェーンは一社が独占して管理するものではないため、日立やみずほといった大企業が他社とコンソーシアムを組むことで、これまでに無かった新しい事業に取り組み始めるのではないでしょうか。

【参照記事】日立とみずほがブロックチェーンを使った実証実験を開始。金流・商流・物流の一体管理およびサプライチェーンファイナンスの高度化を目指す
【参照記事】みずほFG:日立とが、ブロックチェーン技術を活用した金流・商流・物流の一体管理とサプライチェーンファイナンスの高度化に関わる実証実験を開始

韓国最大手取引所Bithumb(ビッサム)に買収報道

韓国大手ゲームプロバイダーのNexonが、韓国最大手取引所Bithumb(ビッサム)を約4億6000万ドルで買収すると報じられました。Nexonは過去に二つの取引所(BitstampとKorbit)を買収しています。

今回の買収では、NexonがBithumb株式の65%を保有するといいます。Bithumbは2018年頃より売却を検討していました。背景には、投資家への詐欺容疑などの問題が存在しています。

Bithumbは、独自トークンBXAを取引所に上場させる前提で投資家に販売していたものの、結果的に上場させることができていません。これに対して詐欺容疑で投資家より訴訟を起こされており、国内でのイメージが悪化していました。

今回の買収は、韓国のIT業界で高く評価されているNexonによるものであることから、国内での暗号資産に対するイメージの払拭に貢献することも期待されています。

韓国では、2021年3月より暗号資産取引所の運営がライセンス制になる予定です。BXAトークンの不正販売により国内でのライセンス取得に陰りが見える中、Nexonへの売却を急ぐことで事業の継続を目指している意図も伺えます。

これに関しては、先述の通りNexonが既に二つの取引所を買収・運営しているため、仮にBithumbでライセンスが取得できなかった場合でも、BitstampかKorbitのいずれかに統合することで事業を継続することができそうです。

【参照記事】Bithumb exchange has a new buyer

BakktとSoFiが株式上場を発表

デジタルアセットプラットフォームを提供する米Bakktが、ニューヨーク証券取引所への上場を発表しました。特別買収目的会社(SPAC)であるVPC Impact Acquisition Holdingsとの合併を通じて、約21億ドルの評価額で上場します。

Bakktは、インターコンチネンタル取引所が2018年に子会社として設立したビットコイン先物取引やオプション取引などを提供する企業です。設立後、わずか3年弱での大規模上場となり、また結果的にCoinbaseよりも先の上場承認となったことから大きく注目を集めています。

正式な合併は2021年4月〜6月を目処にしているものの、既に米証券取引委員会(SEC)ではBakktのIPO関連資料が公開されていました。資料では、Bakktが今後提供する予定の消費者向けアプリのローンチ予定についても言及されています。

暗号資産やその他のデジタルアセットを統合した決済サービスとなる予定で、ユーザーは一つのアプリで複数のデジタルアセットを使用することができるようになるとしています。2020年中にスターバックスのアプリ内に試験導入されるなどの実績があり、事前登録者数は40万人を超えると紹介されました。

また、Bakktが今後の事業を展開する上での市場展望や、競合他社の分析、暗号資産のカストディ事業の現状などに関するスライドも用意されていました。

今週は、BakktのIPOに加えてもう一件のSPACによる株式上場が報じられています。レンディングサービスを提供するSocial Finance(SoFi)が、約86.5億ドルもの評価額でSocial Capital Hedosophia Holdingsと合併すると発表しました。

SoFiは、2020年より暗号資産のレンディングサービスを提供しています。ビットコインとイーサリアム、ライトコインの3銘柄を対象に取り扱っており、流動性の提供先にCoinbaseを抱えていることでも話題になりました。

また、SoFiは2020年10月に米通貨監督庁(OCC)より銀行業を運営するための条件付き認可を取得しています。昨今は暗号資産と既存金融の歩み寄りが加速していますが、SoFiもそのための重要なプレイヤーとして今後の動向に期待できそうです。

ちなみにSPAC(特別買収目的会社)とは、自社では事業を行わず上場前の企業や他社事業を買収・合併することで規模を大きくする形式の企業体のことを指します。時間・金銭的コストをかけずに上場することができるため、米国を中心に昨今急激に増加しています。

【参照記事】Bakkt, the Digital Asset Marketplace Launched by Intercontinental Exchange in 2018, to Become a Publicly Traded Company via Merger with VPC Impact Acquisition Holdings
【参照記事】SoFi, A Leading Next-Generation Financial Services Platform, Announces Plans to Become Publicly-traded via Merger with Social Capital Hedosophia

まとめ、著者の考察

SPACやダイレクトリスティングなど、既存金融領域における株式上場にも少しずつ変化が起き始めています。先端テクノロジーや規制の隙間をぬった新たなスキームにより、レガシー産業は変革に迫られているのです。

暗号資産のような新興市場では、法律に先行する形で次々と新たな取り組みが誕生するため、話題となるトピックが特に多くみられます。現在の米国の動きを追っておくことで、数年後に日本に入ってきた際にスムーズに対応できるのではないでしょうか。

今週は隣国の韓国のトピックを取り上げましたが、韓国の暗号資産市場は2020年に非常に盛り上がりました。暗号資産の取引に対して20%の所得税が課されることも決まり、市場が拡大する予兆が感じられます。

アジアの中でも日本は比較的早い段階で暗号資産市場が整備されそれなりの規模には成長してきましたが、これからは韓国やインドといった暗号資産新興国の市場が伸びてくると予想できそうです。

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田上智裕

株式会社techtec 代表取締役。リクルートホールディングスでの全社ブロックチェーンR&Dを経験後、2018年に株式会社techtecを創業。「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル)」を運営。メディアでの執筆や海外での講演などを中心に、ブロックチェーン業界の発展にコミットしている。

田上智裕

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