「Ryzen 5000シリーズ」×「GeForce RTX 30シリーズ」、ゲーミングPCに最適な組み合わせはこれだ! –

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品薄・価格高騰の今だから性能をシビアに見きわめたい

 今や人気CPU、GPUの品薄はきわめて深刻どころか、部材費や輸送費上昇も加わって値上がり傾向すら出てきた。理想のパーツ入荷を待ち続けて機会損失するのであれば、“手に入る中で必要な性能をしっかり出せる”パーツで妥協するほうがよいと考える人もいるだろう。

 そこでここでは、人気のRyzen 5 5600XとRyzen 9 5900X、GeForceのRTX 3060とRTX 3080を組み合わせた場合の性能差を検証してみたい。(TEXT:加藤勝明)

 まず「3DMark」では、Fire Strike、Time Spy系テストはCPU性能がスコアに影響するが、CPU性能を加味しないPort RoyalではCPUの差は軽微どころか下位CPUが勝る場合もある点に注目。消費電力においてはビデオカードの影響が大だが、GPUは同じでもCPUをRyzen 9 5900Xにするだけで12~17%上昇する点は押さえておこう。

 もしビデオカードの性能がCPUによって大きく変わらないのであれば、ムリにコア数の多いCPUを選ぶ必要はないのだ。

【検証環境】マザーボード:GIGA-BYTE X570 AORUS MASTER(rev. 1.0)(AMD X570)、メモリ:G.Skill F4-3200C16D-32GTZRX(PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2)×2、SSD:GIGA-BYTE GP-ASM2NE6200TTTD[M.2(PCI Express 4.0 x4)、2TB]、電源:Super Flower Computer Leadex Platinum 2000W(2,000W、80PLUS Platinum)、OS:Windows 10 Pro 64bit版、アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:3DMark-Time Spyデモモード実行中の最大値、電力計:ラトックシステム RS-WFWATTCH1

高い実力に裏付けられた人気

 Ryzen 5000シリーズの中でもコア数と価格のバランスのよいRyzen 9 5900Xと、(現時点で)最安のRyzen 5 5600Xは人気の双璧と言える。

Advanced Micro Devices
Ryzen 9 5900X

Advanced Micro Devices
Ryzen 5 5600X

【表】Ryzen 9 5900XとRyzen 5 5600Xのスペック
製品名 コア数/スレッド数 定格/最大ブーストクロック 3次キャッシュ TDP 実売価格
Ryzen 9 5900X 12C/24T 3.7GHz/4.8GHz 32MB×2 105W 72,000円前後
Ryzen 5 5600X 6C/12T 3.7GHz/4.6GHz 32MB 65W 40,000円前後

世界的な需要増で流通量がピンチ

 RTX 30シリーズはゲーマーだけでなく、ホームユーザーの拡大に仮想通貨マイニング勢など、世界的な需要急増も合わさり上から下まで厳しい品薄状態にある。

NVIDIA
GeForce RTX 3080

NVIDIA
GeForce RTX 3060

【表】GeForce RTX 3080とGeForce RTX 3060のスペック
GPU CUDAコア ブーストクロック メモリの種類 メモリ容量 カード電力 搭載カードの実売価格
GeForce RTX 3080 8,704 1.71GHz GDDR6X 10GB 320W 150,000円前後
GeForce RTX 3060 3,584 1.777GHz GDDR6 12GB 170W 60,000円前後

強化テク01
人気FPSで目標のフレームレートを出す組み合わせは?

 RTX 30シリーズを含めた最新GPUは、軽いゲームとフルHD液晶の組み合わせであれば超高フレームレートで遊べる。リフレッシュレートの高い(240~360Hz)液晶をフル活用する人にはうれしい状況だが、誰しも360Hzのハイエンド液晶を使うわけでもない。まだ60Hz液晶や144Hz液晶を使っている人も多い。そのような人にRTX 3080のようなハイエンドGPUはオーバースペックだ。

 そこでフレームレートにリミットをかけるメリットを考えてみよう。今回のCPUとGPUの組み合わせで「レインボーシックス シージ」をプレイすれば、どの環境でも144fpsに張り付きで動かすことができる(出だしの1%程度は144fpsを割る可能性もある)。

 また、フレームレート無制限時(V-Sync無効)と144fps制限時の消費電力を比べると、RTX 3080環境では230W程度、RTX 3060環境では75W程度、144fps制限時のほうが低くなった。今回の検証では144fpsを出すならRyzen 5 5600X+GeForce RTX 3060で十分になる。

 ただし、同じようなコア数のCPUなら何でもよいというわけではない。フルパワーでも速いCPUをほどほどに絞って使うから快適という側面もあるため、CPUランクの落とし過ぎもよくない。

【検証環境】マザーボード:GIGA-BYTE X570 AORUS MASTER(rev. 1.0)(AMD X570)、メモリ:G.Skill F4-3200C16D-32GTZRX(PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2)×2、SSD:GIGA-BYTE GP-ASM2NE6200TTTD[M.2(PCI Express 4.0 x4)、2TB]、電源:Super Flower Computer Leadex Platinum 2000W(2,000W、80PLUS Platinum)、OS:Windows 10 Pro 64bit版、レインボーシックス シージ:内蔵ベンチマーク機能で測定、消費電力:レインボーシックス シージ内蔵ベンチマーク実行時の最大値、電力計:ラトックシステム RS-WFWATTCH1

フレームレートが勝負を分ける

「レインボーシックス シージ」は高リフレッシュレート液晶と組み合わせてよりレスポンスを高める方向でプレイする人が多い。だが最速の360Hz液晶はそれなりに高価なのがネックだ……
(C)2020 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved.

ゲームのフレームレートを制限

fps制限はゲーム側でV-Syncを有効にする方法がメジャーだが、NVIDIAコントロールパネルの「最大フレームレート」で指定するという手もある。こちらのほうが微調整をしやすい

144fps制限時のCPU使用率は?

Ryzen 5 5600X+RTX 3060の組み合わせでフレームレート無制限(左)と144fps制限(右)時のCPU占有率の違い。高フレームレートを望まなければ、CPUパワーは控えめでよいのだ

強化テク02
レイトレーシング対応ゲームもDLSSがあれば余裕?

 「サイバーパンク2077」など最新ゲームに使われているDXR(DirectX Raytracing)は描画負荷がきわめて大きいため、高解像度&高画質プレイにはハイエンドGPUが欠かせない。しかしRTX 30シリーズの「DLSS(Deep Learning Super Sampling)」を使うことで、GPU負荷を劇的に減らすことができる。

 最新のDLSS2.0では「バランス」~「ウルトラパフォーマンス」のように画質を設定できるが、これはGPUが最初にレンダリングする“内部解像度”に直結する。「パフォーマンス」なら縦横50%(4KならフルHD)、「高画質」なら縦横66%で描画し、AIを利用して画面解像度にスケールアップする。フルHDではジャギー状の荒れが出る場合もあるが、解像度を上げるほどに差異は小さくなる。

 今回はフルHD環境でのみ計測したが、DLSS“パフォーマンス”を利用することでレイトレーシング設定最大でも平均60fpsでプレイ可能になる。そしてRyzen 5000シリーズであればCPUのコア数はあまり重要でない点も分かるだろう。このゲームにおいて重要なのはGPUパワーなのだ。

【検証環境】マザーボード:GIGA-BYTE X570 AORUS MASTER(rev. 1.0)(AMD X570)、メモリ:G.Skill F4-3200C16D-32GTZRX(PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2)×2、SSD:GIGA-BYTE GP-ASM2NE6200TTTD[M.2(PCI Express 4.0 x4)、2TB]、電源:Super Flower Computer Leadex Platinum 2000W(2,000W、80PLUS Platinum)、OS:Windows 10 Pro 64bit版、検証方法:マップ上の一定のコースを移動する際のフレームレートを「CapFrameX」で計測

DXR+DLSSを駆使した重量級ゲーム

家庭用ゲーム機向けの評価は散々だが、スペックを盛れるPC版は現時点でもっともこのゲームを快適に楽しめる。Radeon向けDXR対応は遅れているので、RTX 30シリーズで楽しむのが吉
(c)2021 CD PROJEKT S.A. All rights reserved.

フルHD解像度だとDLSSはジャギーが見えることも

DXR有効だが左はDLSSなし、右はDLSS“パフォーマンス”時の比較。画面解像度はフルHDだが内部解像度は960×540なので、パフォーマンスは上がるがタイルの継ぎ目に若干ジャギーのようなものが見える

強化テク03
重量級ゲームを4Kで遊ぶには

 描画負荷がきわめて重い「アサシン クリード ヴァルハラ」(ACV)の場合はどうだろうか? 今回は画質“最高”設定をフルHDと4Kの二通りを用意し、濃厚な描画をいかに高画質で楽しむかという観点で検証する。

 結果を見るとどちらの解像度においても、RTX 3060よりもRTX 3080のほうが圧倒的なフレームレートを出しているが、Ryzen 5 5600XとRyzen 9 5900Xの間には誤差以上の差は出ていない。ACVではGPUスペックが最重要で、CPUのコア数は物理6コア以上であれば二の次であることが示されている。

 改めてRyzen 5 5600Xのゲーミングにおける費用対効果のすごさを確認できた。RTX 3060は原稿執筆時点(3月下旬)で唯一Resizable BARに対応したGPUだが、GPU性能を覆すだけの力はない。

 本校執筆時点には間に合わなかったが、まもなくRTX 3080にもResizable BAR対応のvBIOSが配布される予定だ。RTX 3060のResizable BARとACVはあまりフレームレート向上に貢献しなかったが、メモリ帯域の広いRTX 3080では劇的に変わる可能性も残されている。今後の検証を待ちたい。

【検証環境】マザーボード:GIGA-BYTE X570 AORUS MASTER(rev. 1.0)(AMD X570)、メモリ:G.Skill F4-3200C16D-32GTZRX(PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2)×2、SSD:GIGA-BYTE GP-ASM2NE6200TTTD[M.2(PCI Express 4.0 x4)、2TB]、電源:Super Flower Computer Leadex Platinum 2000W(2,000W、80PLUS Platinum)、OS:Windows 10 Pro 64bit版、検証方法:内蔵ベンチマーク機能を使用して測定

レイトレーシングを使わない重量級ゲームの代表格

このシリーズはレイトレーシングは使っていないが描画が非常に重い。本作はAPIをDirectX 11→12に変更することで、よりCPU負荷がマイルド(Ryzen 9 5900X使用時で平均20%台)なゲームになった
(C)2020 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved.

美しき自然は4Kでこそ映える

フルHD(左)と4K(右)の比較。全体の印象は同じだが、細かい枝のディテールは4Kのほうが優れている。風景を見るのもこのゲームの楽しみなので、できれば4Kで遊びたい

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著者: " -- pc.watch.impress.co.jp "