「Shadowverse World Grand Prix 2018」決着!100万ドルと世界最強の称号はふぇぐ選手の手に

0
56
「Shadowverse World Grand Prix 2018」決着!100万ドルと世界最強の称号はふぇぐ選手の手に

Day2でMCを務めた枡田絵理奈さん(左)と平岩康佑氏(右)。中央はゲストとして登壇した元プロサッカー選手の前園真聖氏

 Cygamesは、Android/iOS/PC用デジタルトレーディングカード「シャドウバース」の世界大会「Shadowverse World Grand Prix 2018」を幕張メッセ1ホールにて12月15日より16日にかけて開催した。

 「Shadowverse World Grand Prix 2018」は全世界から集った「シャドウバース」のトッププレーヤー24名により争われた、2018年の集大成とも言うべき一大大会。その優勝賞金は国内のeスポーツ大会史上最高額となる100万米ドル(約1億1,000万円)と、まさに“eスポーツドリーム”を体現するかのような金額だ。もちろん賞金額そのものがeスポーツ大会の価値を決めるわけではないが、一般的なサラリーマンの生涯年収の約半分を1大会で稼ぎ出すというのはあまりにも夢のある話だし、話題性も十分と言えるだろう。

 大会は15日より16日にかけて行なわれたが、初日にあたる15日には観客を入れず、クローズドな環境で粛々と大会が進行された。ちらりと会場の様子を覗きにいったが、そこでは一般的に想像される華やかなeスポーツ大会とはまた違った、その場にいるだけで身を切り裂かれるような、選手たちの緊張感と、静かに燃える熱が感じられるような空間となっていた。

世界最高峰の「シャドウバース」プレイヤー24名が最終決戦の場に臨んだ

初日は観客無しで大会が進行。物凄い緊張感だった

 そんな初日の戦いを制し、2日目へと駒を進めたのはRiowh選手、 NineVoice選手、 Potwasher選手(Tempo Storm所属)、 ふぇぐ選手 (よしもとLibalent所属)、 Hishiro選手、 ZeNX選手、 ソルト選手、 カサゴ選手の8名だ。彼らはDay2のトーナメントで優勝を目指して戦い抜いて行くことになる。

初日を勝ち抜いた8名のみが最後のトーナメントに進んだ

 世界のトッププレーヤーが集う大会だけあって、そのプレイイングやデッキ構築は非常にレベルが高く、勝負を分けるのは紙一重の実力差や少しの運。手に汗を握るような試合が繰り広げられ、ひとり、またひとりとトーナメントから脱落していく。そうして数多の選手を蹴散らし、決勝の舞台にまで進んだのはふぇぐ選手とPotwasher選手の2名。両者ともにプロチームに所属するプロ選手であり、まさにチームの看板を背負っての決勝戦となった。

世界王者決定戦に挑むよしもとLibalent所属のふぇぐ選手 (左)とTempo Storm所属のPotwasher選手(右)。

 Potwasher選手は初戦で冷静かつ安定したプレイイングでヴァンパイア同士の戦いを制し、かと思えばふぇぐ選手はこれ以上無いほどの理想的なマナリアウィッチの立ち回りであっという間に1セットを返す。これでふぇぐ選手は流れを掴んだかに思えたが、Potwasher選手は慣れた手付きでフェグ選手のヴァンパイアをネクロマンサーで下す。カウントは2-1ともう後がないふぇぐ選手だったが、こここでグッとこらえてヴァンパイアでPotwasher選手のドラゴンを破り……と息着く間もなくセットカウントは2-2のフルカウントとなる。

 泣いても笑っても最後の試合となる5試合目は、端的に言って本当に凄い試合だった。何が凄かったかといえば、ふぇぐ選手の神に魅入られているとしか思えないドローと粘り強さだ。ゲームはドラゴン対ドラゴンのミラーマッチとなったが、序盤から中盤にかけてはPotwasher選手がリードを握り、互いの体力は12対4。自ターンを迎えたふぇぐ選手はフォロワーこそ展開できているものの、先のターンで守護(相手の攻撃を引き寄せ、リーダーを守る効果)持ちの「ポセイドンの兵士」を「侮蔑の炎爪(自分のフォロワーに1、相手のフォロワーに3ダメージ)」で倒されてしまっており、このターンでPotwasher選手の残り体力を削り切るか、どうにかして守護持ちのフォロワーを展開をしなければ敗色濃厚という局面だ。

手札に控える「アジ・ダハーカ」を通すため、守護持ちの「ポセイドンの兵士」を「侮蔑の炎爪」で除去するPotwasher選手。ふぇぐ選手にはかなり苦しい展開だ

 ふぇぐ選手はまず「侮蔑の信者(自分の他のフォロワーに1ダメージを与え、カードを1枚ドロー)」をプレイ。引き当てた「龍の託宣(覚醒状態であればカードを1枚ドロー。この局面でふぇぐ選手はすでに覚醒状態)」では「アジ・ダハーカ」を引き当てる。「アジ・ダハーカ」は強力なカードではあるものの、この局面では状況を変える力はない。

ドローソースをフルに使い、状況の打破を試みるふぇぐ選手

 続いて手札から祈りを込めて「純真の歌い手(場に出したときと倒されたときにカードを1枚ドロー)」をプレイすると、なんとここで引き当てたのは「ポセイドン」。「ポセイドン」は守護を持つ「ポセイドンの兵士」を呼び寄せるカードであり、つまりはこの局面をひっくり返すどころか、数多あるカードの中でほぼ唯一といっていい、勝利を引き寄せる1枚だったのだ。このまさかまさかの「ポセイドン」ドローには観客席はもちろん、実況・解説席からも大歓声が上がった。

まさかまさかまさかの「ポセイドン」引き!この1枚が勝負を決めた

 ふぇぐ選手はすぐさま「ポセイドン」をプレイして、呼び出された「ポセイドンの兵士」で守護を貼りつつ総攻撃をかけてPotwasher選手の体力を2まで削る。Potwasher選手はこれを返すことができず、「アジ・ダハーカ」を展開してターン終了。ここで勝負が決まった。

 ふぇぐ選手は序盤、劣勢ながらもPotwasher選手が「ドラゴニュートの威圧(相手のリーダーとフォロワーにダメージ。相手のフォロワーを一掃できる可能性のあるカード)」を手札に秘めつつ「オルカの大渦(PPに応じて「オルカ」を場に出す)」をプレイした際、まるで相手の手札が読めているかのように、安易に手持ちの「オルカの大渦」で対抗せずに堪えたシーンなどもあり、プレイイングも極めて冴えていた。そうして耐え、粘った先に最後の「ポセイドン」引きということで、あまりにもドラマティックな展開で優勝を決めた。

Potwasher選手の「オルカの大渦」に対して手持ちの「オルカの大渦」を敢えてぶつけなかったふぇぐ選手。この判断をできるプレーヤーは数少ないと思う

 まさに疲労困憊と言った様子で表彰式に臨んだPotwasher選手、ふぇぐ選手だったが、Potwasher選手はふぇぐ選手を祝福しつつ、「この1試合で80万ドルを逃してしまいました!(2位の賞金は20万ドル)」とジョークを飛ばして会場の笑いを誘った。一方優勝を飾ったふぇぐ選手は開口一番「ありがとうございます!!」と絶叫。続けて「成績が振るわなかった時期もあったけれど、それでも諦めずに練習を続けたことが今日の成果に繋がりました。『シャドバース』は本当に夢がありすぎます!! 本当にいいゲームですし、皆さんももっともっとプレイしてください」とコメントした。

熱い抱擁を交わし、互いの健闘を称え合う2人

ふぇぐ選手にはサイゲームス常務取締役兼「シャドウバース」プロデューサーの木村唯人氏より賞金とトロフィーが贈呈された

登壇した実況・解説陣。左から友田一貴氏、岸 大河氏、kuroebi氏SOS氏、Surre氏

感動のあまり声を詰まらせる友田氏(左)ともらい泣きするkuroebi氏(右)。今大会は本当に感動と興奮の連続だった

 こうして幕を閉じた「Shadowverse World Grand Prix 2018」であったが、最後に登壇したCygames常務取締役兼「シャドウバース」プロデューサーの木村唯人氏より、2019年も今回と同額の優勝賞金100万米ドルが用意される世界大会「Shadowverse World Grand Prix 2019(仮)」の開催が告知された。こうした大規模なeスポーツ大会の存在は日本のeスポーツを今以上に盛り上げてくれることであろうし、なによりまた来年もこうした熱く激しい大会が見られると思うと、今から楽しみでならない。「シャドウバース」はもちろん、来年のeスポーツ界の動きにも注目していきたいところだ。

ふぇぐ選手インタビュー「今日のMVPは『ポセイドン』」

 表彰式の後には、世界王者となったふぇぐ選手へのメディア合同インタビューが行なわれた。疲れ切っているのは明らかながら、メディア陣の質問に笑顔でハキハキと答える姿は流石の風格であり、プロとしての意識の高さを感じさせるものであった。最後にこちらの内容をご紹介しよう。

――今のお気持ちを改めてお聞かせください。

ふぇぐ選手:100万米ドルの「ポセイドン」が輝きましたねホントに。マジで嬉しいです!

――優勝の要因はなんでしょうか?

ふぇぐ選手:1番最後は少しミスもあったんですが、準決勝などは自分でも納得いくプレイが続けられたので、その積み重ねだと思います。

――大会を振り返って、どんな2日間でしたか?

ふぇぐ選手:2日間とも1日に1回、少し緊張してしまって自分の普段のプレイができなかった時があったので、次も優勝するためにそこは直して行きたいと思います。

――Day2を振り返って、1番苦しかった局面はどこですか?

ふぇぐ選手:決勝戦の1戦目、「ヴァンパイア」のミラーマッチで「フラウロス」が意図しないところで飛び出てしまったことで集中が切れてしまって、そこから集中し直すのに時間がかかってしまったところです。

――世界大会2日間でMVPのカードを1枚選ぶとしたらどれですか?

ふぇぐ選手:(即答で)ポセイドンです!

――「原初ドラゴン」や「自傷ヴァンプ」は今大会のメタだったかと思いますが、そこに「マナリアウィッチ」を加えたのはなぜですか?

ふぇぐ選手:確かにBO3では「ドラゴン」と「ヴァンパイア」だと思うんですが、そこにひとつプラスするとなると「ロイヤル」と「ネクロマンサー」が多くなると思ったので、これらのリーダーに有利を取れて、かつドラゴンにもある程度相性の良い「マナリアウィッチ」を選択しました。BO3のときは「ドラゴン」も「原初の竜使い」1枚のランプ寄りだったんですが、BO5ではサードリーダーを意識して「原初の竜使い」を2枚組み込んだりしました。

――「マナリアウィッチ」は非常にうまく回っていた印象でしたが、あの時どう感じましたか?

ふぇぐ選手:「練習中でもこんなのやったことないぞ」と思いながらプレイしていました(笑)。あれだけ上手く回ったのは初めてですね。

――1日どれくらい「シャドウバース」をプレイしていますか?

ふぇぐ選手:10から14時間くらいですかね。

――優勝賞金として約1億円を獲得されましたが、使い道は決めていますか?

ふぇぐ選手:壮大すぎてわからないですね……とりあえずマンション買いたいです!

――1億円獲得することによって、急に友達や親戚が増えるかもしれませんが(笑)。対策などは考えていますか?

ふぇぐ選手:うーん、では親に預けます(笑)。

――eスポーツで勝つ上で、必要とされる力はどんなものだと思いますか?

ふぇぐ選手:練習量と集中力ですかね。初日は1日で8試合がありましたし、相手も限りなくミスが少ないので、自分もミスをしないようにしなくてはいけません。

――eスポーツは今後さらなる盛り上がりを見せていくと思いますが、ふぇぐ選手はどのようにeスポーツをどのように捉えていますか?

ふぇぐ選手:1番最後の試合の盛り上がりからもわかるように、その場の全員が大声を出すし、共感できるような楽しいものだと思います。

――eスポーツが近々オリンピック競技として成立するかもしれないという話がありますが、ふぇぐ選手はこれについてどうお考えですか?

ふぇぐ選手:そうですね……なってくれたら嬉しいですが、まだ共感できていない方も多いと思うので、徐々に土台を作りながらそうなっていったらいいなと思います。

――今後の目標を聞かせてください。

ふぇぐ選手:よしもとLibalentでチームとしてリーグ優勝したいですし、個人的としては来年の世界大会を連覇したいです!

――本日はありがとうございました。おめでとうございます!